投稿日時 2025-05-23 20:03:49 投稿者 ![]() 斎賀久遠 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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不自然なほど静かで自信に満ちた声―― それは、死体の壁越しにもしっかりと響き渡っていた。 レイスもヨミも、一瞬、息を呑む。 ゾンビの群がる中で、何かが起ころうとしていた。 ゾンビの群れに埋もれていたはずのザラの声が、 どこか冷ややかな自信をもって響く。 「……霊圧。あなた、まだ分かっていないみたいね。 あなたの本体を封印しているのは、この私だってことを――」 静かに、しかし力強く詠唱が始まる。 「汝を支配下に治めるザラ=メルセデスが命ずる。 この地に彷徨える死者たちよ――」 ザラの指がひとつ、空中をなぞる。 「主命に従い、いま地の底へと還れ。」 次の瞬間、 霊圧の支配下にあったはずのゾンビたちが、 ピタリとその動きを止める。 |
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